御祭神
おおくにぬしのおおかみ
大國主大神
大國主大神は、縁結びの神・福の神・または”だいこくさま”と慕われており、心の優しいだいこくさまが傷ついたうさぎを助ける「因幡の素兔」は、たいへん有名な神話です。国造りをはじめ、医療にも長けていたと言われており、たくさんのご利益を授けてくださいます。
「えんむすび」とは男女のご縁だけでなく、私たちが立派に成長し社会がより一層明るく楽しくなるための、人と人との出会いすべてが「ご縁」であり、それらを「むすぶ」ことなのです。皆さまがたくさんの「ご神縁」「福」をいただかれますよう、大神様にお取次ぎいたします。
また当神社は女性宮司ですので、打ち明けにくいお悩みなども遠慮なくご相談ください。
御神格
国造りの神 縁結びの神 医療の神 農業の神 商業の神 幽冥の神
御神徳・御利益
病気平癒祈願 健康長寿 神葬祭 御霊祭 など
縁結び 地鎮祭 家内安全 安産 学業成就 商売繁栄 開運厄除
参拝の作法
いなばのしろうさぎ
神話「因幡の素兎」
むかしむかし、出雲の国に「だいこくさま」という神さまがいらっしゃいました。
ある日、だいこくさまと兄弟である八百万神(やおよろずのかみ)たちは、因幡の国(いなばのくに)に、八上姫 (やかみひめ) という美しい姫がいるという噂を聞き、みんなで会いに行くことにしました。旅を進めていると、体の毛を剥がされた一羽のうさぎを見つけました。兄弟神たちは面白がって、「海水で体を洗い、風に当たって乾かすと傷が治る」と嘘をつきました。うさぎは言われとおりにしてみると、痛みはますますひどくなってしましました。
それからずいぶん経ったころ、大きな袋を担いだだいこくさまが通りかかりました。兄弟神たちは、自分たちの荷物をだいこくさまに持たせていたので、遅れをとっていました。泣いている理由を尋ねると、うさぎは話し始めました。
「私はいつか自分の住む島から海を渡り、因幡の国に行ってみたいと思っていました。そこで、海にいるワニザメをだまして向こう岸に渡ろうと考えました。そして彼らに、「君たちの仲間と僕の仲間と、どちらが多いのか比べてみよう」と話し、向こう岸まで並べさせ、数を数えるふりをして彼らの上を渡って行きました。あと少しで因幡の国にたどり着くというところで、嬉しさのあまり「君たちをだましたんだ」と口を滑らせてしましました。怒ったワニザメたちは、私の皮をはがし、丸裸にされてしまいました。」
「それからしばらくして、多くの兄弟神さまと会いました。彼らを信じて言うとおりにしてみると、体はヒリヒリと痛み、ますますひどくなりました。」
だいこくさまは、うさぎに言いました。
「それはかわいそうに、川へ行って真水で体をよく洗い、蒲の穂をつけなさい。」うさぎは藁にもすがる思いで言われたとおりにしてみると、傷はたちまち癒え、体の毛も生えて、すっかり元の白うさぎに戻りました。
元気になり、喜んだうさぎは言いました。
「だいこくさま、あなたは本当に心の優しいお方です。八上姫は、意地悪な兄弟神さまではなく、あなたをお選びになるでしょう。」
そしてうさぎは誰よりも先に因幡の国に到着し、八上姫に全てを話しました。何も知らない兄弟神たちは、競って結婚を申し込みましたが、八上姫はそっけなくこう言いました。
「私はあなた方ではなく、これからここへお着きになるお方と結婚すると決めております。」そして、全ての申し出を断りました。
しばらくして、だいこくさまが到着されました。うさぎの言ったとおり、八上姫が選ばれたのは、心優しいだいこくさまでした。
「思いやりを持って行動していると、よい結果が待っている」
「人をだましたり、貶める行動をしていると、災いを招く」
この神話から、他人に対して行ったことは、自らに返ってくることを教えていただけます。また、だいこくさまが医学に長けており、正しい知識によってうさぎの傷を治癒させたことから「医療の神」とも言われる由縁が伺えます。