【6月】今月の花手水②
2022年6月13日
晴れの国 岡山と申しますが、日ごとに梅雨が近づいてまいりました。
さて今月の花手水をご紹介いたします。
アリウム
花言葉:円満、ただしい主張、不屈の心
欧米をはじめ北アフリカ・アジアなど多数の国を原産とする、ユリ (ヒガンバナ) 科アリウム (ネギ) 属の植物です。「アリウム」とはラテン語でネギを意味し、広くはニンニクや玉ネギも同じ属性になります。ほんのりネギの香りを持ち、花葱 (ハナネギ)・ねぎ坊主とも呼ばれています。
淡い紫色が印象的なアリウム。
お花に限らず「紫色」には高貴なイメージがありますが、その由来をご存知でしょうか。
現在のように合成染料がなかった時代、染料は全て天然の素材から手作りされていました。中でも紫の染料は非常に難しく、古代ギリシャでは数千個の巻き貝からわずか数グラムしか取れない希少な分泌液から、日本では「ムラサキ」という植物の根をもとに多くの工程を経て、美しい紫色を完成させました。そのため非常に高価で皇帝や限られた貴族しか纏うことができませんでした。ローマ皇帝は自身以外が紫色を纏うのを禁じ、また日本でも聖徳太子により制定された冠位十二階では、濃い紫が最高位の色とされていました。
このように古くから世界の歴史で神聖で高貴な色とされてきた紫色。神職の装束でも、白・黒に次いで上位の色とされています。
優雅で涼感のある紫色の「アリウム」にノラニンジンを添えた、初夏の花手水をお楽しみください。
今月の花手水では、毎月の花手水や境内のお花もご紹介していきます。また花手水は不定期で入れ替えておりますので、月中の変化もお楽しみください。
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策により、柄杓の使用は中止しております。ご不便をお掛けいたしますが、ご理解・ご協力をお願い申し上げます。
時期やお花の状態により、花手水がない場合もございます。