【9月】今月の花手水:ケイトウ
更新日:6 時間前
2026年9月19日

秋分の日を控え、虫の音や夕暮れの空に秋の深まりを感じる季節となりました。
では今月の花手水をご紹介いたします。
ケイトウ -鶏頭-
花言葉:おしゃれ、気取り屋、個性、風変わり
アジア・アフリカなどの熱帯地域が原産とされる、ヒユ科ケイトウ属のお花です。日本では鶏のトサカに似ていることから「ケイトウ -鶏頭-」と名付けられ、英語名も同じ意味で「Cocks Comb(コックスコーム)」と呼ばれています。

「脳みそ」みたい?ケイトウの正体
実は花びらではない?
鶏のトサカのようなケイトウは、海外ではそのユニークな見た目から「脳のお花 / Brain Flower(ブレインフラワー)」の愛称でもでも親しまれています。
この脳みそのような分厚いオレンジ色の塊は、実は「花びら」ではなく、平たく横に広がって波打った「茎」です。 表面を覆うフサフサも花びらではなく、密生して変形した「萼(ガク)」や「苞(ほう)」で、これが独特の質感を形成しています。
本当のお花はどこ?
ケイトウの「本当のお花」は、波打った茎の隙間や、根元の内側に隠れるように咲く「極小の粒々(つぶつぶ)」です。1つひとつのお花はミリ単位の小ささで、花びらは持たず、小さな萼と雄しべ・雌しべだけを持っています。 これらの特徴から、水落ちしにくく枯れても色が残ってドライフラワーにしやすいというメリットもあります。
遺伝子の変異から生まれた個性
5世紀頃(400年代〜)|奇跡の誕生と保護
ケイトウの歴史は古く、約1500年前まで遡るとされています。5世紀頃のインド周辺にて、野生の細長いケイトウ(ノゲイトウの仲間)から、帯化(たいか)によって平たい「トサカ型」の変異株が偶然誕生しました。この珍しい変異個体がここから数百年もの間、寺院や人々の手によって大切に守られていきます。 8世紀(700年代〜)|日本への伝来
シルクロードを経由し、奈良時代の日本へ伝来。「韓藍(からあい)」の名で『万葉集』にも登場し、観賞用だけでなく食用や染色用として親しまれました。 16世紀初頭(1500年代〜)|世界への広がり 大航海時代の探検家(ヴァスコ・ダ・ガマの航海など)によって、東アジアで大切に育てられていた種がインドからヨーロッパへ持ち込まれ、やがてアメリカ大陸へと広がっていきました。 20世紀初頭(1900年代初頭〜)|「Brain Flower」の完成 明治時代の日本(福岡県久留米市)にて、平たいトサカ型ケイトウを交配・選抜改良。どこから見ても隙間なく丸く固まる立体的な「脳みそ型」の「久留米ケイトウ」が誕生しました。その後、世界へ輸出され、個性溢れる芸術的な「Brain Flower」として今なお世界中で愛され続けています。
個性的なケイトウやホオズキなどオレンジでまとめた、秋分の花手水をお楽しみください。
今月の花手水では、毎月の花手水や境内のお花もご紹介していきます。また花手水は不定期で入れ替えておりますので、月中の変化もお楽しみください。
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